
2020年09月13日 / BLOG
こんにちは。公認会計士の金森俊亮です。
本日は、昨日まで3日連続で記事にした監査法人が実施するアドバイザリー業務シリーズの最終回になります。
最終回の本日は、私がアドバイザリー業務を実施して、感じたことを記事にしたいと思います。
目次
監査法人が実施するアドバイザリー業務は、会社にプロジェクトが立ち上がり、第三者の立場としてプロジェクトに関与するものが大多数です。
そのため、プロジェクトマネジメント能力、課題を解決していく能力が求められます。
では、プロジェクトとはなんでしょう。私が考えるプロジェクトの定義とは、プロジェクトの開始に掲げた目標を達成することだと思っています。
プロジェクトを遂行していく中に、プロジェクト達成を阻害する課題があり、その課題を潰しながら、プロジェクトは進行していきます。
一方の監査も実は同じです。監査は監査チーム内でのプロジェクトです。監査報告書の提出という目標を掲げ、それを阻害する要因である監査リスクを監査手続で潰していきます。
私自身、監査を実施している時に、監査はプロジェクトであるとの認識はなかったのですが、実際にアドバイザリー業務をやり始めてから、監査もプロジェクトなんだと気づきました。
そのため、監査をプロジェクトという認識で行うことは非常に大事ですし、プロジェクトマネジメントの能力を磨くことができると思います。
プロジェクトを実施するにあたり、必ずゴールを遮るいくつもの課題があります。そして課題には原因があります。この原因をしっかり把握して、それに対処をしていく必要があります。
例えば、収益認識に関する会計基準を導入するというゴールを設定した際に、課題として「現場の資料提出が遅く適時に処理ができない」というものが出てくることがあります。
原因が「紙での提出しかできない」というものであった場合、システムで対応するようにするといったような対処があります。こうして、原因を潰していくことで、課題が解消されていき、最終的に収益認識に関する会計基準の導入ができるようになります。
プロジェクトの効率的な成否は、プロジェクトの初期に課題と原因の洗い出しを行うことです。
ただし、当初に課題と原因を適切に把握することは非常に難しいです。最初は仮説を立てて、それを確かめにいくという作業を繰り返します。そして、場合によっては課題や原因の再設定をすることもあります。
これを心を折れずに繰り返していくことが非常に大切です。
監査は、クライアントはいるものの、基本的には監査チーム主体で進めるものです。
一方、アドバイザリー業務はクライアントとコミュニケーションを取り、方向性が間違えていないか、課題の認識が間違えていないかを適時に確認しながらやっていくことが必要です。
もし、途中で方向性を間違えていた場合、やり直しの工数がかかりますし、期限通りに終わらないリスクがあります。そういったことを避けるために、クライアントとのコミュニケーションを適時に取ることがアドバイザリー業務の成功の鍵だと思います。
本日の記事は以上となります。
アドバイザリー業務は実は監査と似たようなところも多いですが、よりコミュニケーションが鍵であったり、また課題をしっかり定義してあげる必要があったりと、こちらが考えてクライアントと向き合うことがより大事になる業務だと思います。
監査で会計と監査の基礎知識を身に着けたら、ぜひアドバイザリー業務にも挑戦してみてもらえればと思います。
それでは次回の記事でお会いしましょう。
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