
2020年10月11日 / BLOG
こんにちは。公認会計士・税理士の金森俊亮です。
本日から数回に分けて、私が監査法人のアドバイザリー事業部にいた時に実施した収益認識に関する会計基準の導入支援について記事にしたいと思います。
本日の記事は、初回ですので、収益認識に関する会計基準とはどういった基準なのかを簡単に紹介します。
目次
そもそも、収益認識に関する会計基準とは、何でしょうか。これは、2021年4月1日以降に開始する連結会計年度及び事業年度から適用される、売上に関する会計基準になります。
日本では永らく、売上高に関する会計基準は、工事契約に関する会計基準等のほんの一部の会計基準を除き、ありませんでした。
ほとんどの企業が企業会計原則の実現主義をベースに売上高を認識していました。
しかしながら、世界的にも収益認識に関する会計基準を整備しようという機運が高まり、国際会計基準であるIFRSではIFRS15号、またアメリカの会計基準(USGAAP)でもASC606にて収益認識に関する会計基準が制定されました。日本においてもこれらの会計基準をベースとして、売上高に関する会計基準を制定することになりました。
なお、IFRSとUSGAAPでは、既に適用が開始されていることから、日本国内においてもこれらの会計基準を採用している会社は、収益認識に関する会計基準を導入していることになります。
収益認識に関する会計基準の最大の特徴は、売上高を5つのステップにのせて認識をすることです。
5つのステップとは、以下の通りです。
今までの売上高の認識では、ぼんやりとは思い浮かべていてもそれぞれを個別に検討している会社は少なかったものと考えています。
また、これらのステップごとにそれぞれ論点が紐づいていて、会計基準の中で取り扱い方法が定められています。
この中で、特に重要なステップは、ステップ2の履行義務の識別になるかと思います。
履行義務の識別を誤ってしまうと、売上を認識するタイミングを大きく誤る可能性が高くなります。
BtoB(得意先が企業のこと)の会社では、1つの契約の中で複数の物やサービスを納めるという契約をしている会社も多いと思います。
その場合、現状では、個別に納品を完了していても、最終的に全てが完納して初めて売上を計上するというやり方をとっている会社も多いのではないでしょうか。
すなわち、1つの契約に対して、売上高の単位も1つになっているケースです。こういったケースは収益認識に関する会計基準が導入された場合、それぞれの履行義務を適切に識別をして、履行義務が完了したタイミングで売上を計上することが求められていきます。
本日の記事は以上となります。
明日以降も会計基準に関するお話を記載しつつ、導入に際してどういったことをしていいくのか、またスケジュール感についても記事にしたいと思います。
それでは、次回の記事で会いしましょう
必要事項をご記入いただき、(送信)ボタンを押してください。
お問い合わせに関しては2営業日以内で返信いたします。