
2020年10月13日 / BLOG
こんにちは。公認会計士・税理士の金森俊亮です。
本日は昨日からの続きで収益認識に関する会計基準の導入(以下、新収益認識基準と言います。)の進め方に関して、詳細分析について記事にしたいと思います。
概要分析を行った結果、重要な影響を与えそうな領域に関して、文字の通り、詳細に分析を行うことになります。
この詳細分析を行い、会計方針を確定させていくことになります。
詳細分析は読んで字の如く、詳細に分析を行うことです。そのため、販売データを使用して全体的な傾向を分析したり、契約書や請求書、またはイレギュラーが生じた際の結末等、様々な観点から資料を入手をして分析を行います。また、分析に際して、ヒアリングも併用しながら実施していくことになります。
この詳細分析のやり方は、論点ごとや会社によってやり方が変わってきますので、一概には言えないのですが、概要分析では収集していなかった細かい情報についても事実を収集して分析を行うことになります。
この分析結果を使って、実際の会計基準に当てはめる形で、会計方針を定めていくことになります。
また、詳細分析を行って定めた会計方針は一般的には、ポジションペーパーと呼ばれる会社の会計方針を定めた文書にして保管をしていきます。このポジションペーパーは監査人等、外部の方とコミュニケーションを取る際に非常に重要な書類になります。
詳細分析は、会計方針を決定するためにやります。
また、最終的に売上の計上金額や期間が変わらないものであっても論点がある箇所については、詳細分析を実施して、結果をポジションペーパーに落とし込んで保管しておく方が好ましいです。
そのため、会社として重要性のある領域に関して、論点があるところはなるべくは詳細分析までやりきった方が良いと思います。
詳細分析は、当然ながら事業の中身を理解していないと誤った結論に至る可能性があります。そのため、詳細分析の段階では、対象となっている事業に精通している人にヒアリングをすることになります。しかし、分析の段階からプロジェクトチームにジョインしてもらい、聞きながら分析をしていくとより効率的になると思います。
実際に新収益認識基準導入プロジェクトチームは、経理の人員で組成されていることが多く、現場を知らないことも多いので、詳細分析の段階で、現場の方をジョインした方が良いと思われます。
詳細分析を行う際には、取引をサンプリングで抽出して、証憑と突き合わせていくことがあります。その際のサンプリングは、件数や何を抽出するかも含めて、プロジェクトチームで決定することになりますが、結論ありきでその結論になるようにサンプルを集めてしまわないように気をつけます。
基本的には、詳細分析の結果は監査人と議論することになると思います。その際に、いいとこ取りをした結論になっていないかは質問してくると思いますので、適切に回答できるようにするためです。
本日の記事は以上となります。
詳細分析は、より深く細かい分析になりますので、作業も大変になってきます。また、会社によっても詳細分析を行うべき論点数はまちまちになることが想定されますので、決まった型というものもないのが、辛いところです。
明日は新収益認識基準導入に際して出来上がる成果物に関して記事にしようと思います。
それでは次回の記事で会いましょう。
必要事項をご記入いただき、(送信)ボタンを押してください。
お問い合わせに関しては2営業日以内で返信いたします。