
2020年10月30日 / BLOG
こんにちは。公認会計士・税理士の金森俊亮です。
本日は、昨日からの引き続きで収益にに関する会計基準(以下、新収益認識基準と言います。)の導入に際して、留意点を記事にしていきます。
目次
新収益認識基準を導入し会計処理を変更するものに関しては
といった形で、全社的に負担が非常に重い結果になります。そのため、なるべくであれば、変更をしたくないという気持ちが出てきます。
もちろん、新収益認識基準においても、重要性が乏しいものに関してまで、全てを厳密に変更する必要はないものと思われます。
そのため、会計監査人との議論の過程において、自社にとって重要性に乏しいので、従来の取り扱いから変更をしないという結論になるものもあるとは思います。
しかし、重要性で除外したものに関しては、会計監査人が貴社へ適用する重要性の基準値を下げることにとって、処理の修正を適用年度以降、サプライズで依頼してくる可能性があります。
重要性の基準値は、証券取引所に上場をしている株式会社においては、監査基準委員会報告書に則り、税引前当期純利益の5%を目安に決定していることが多いと思われます。
昨今のコロナによる影響で利益水準が減少傾向にある場合であれば、導入準備を行っていた時と、重要性の基準値が変更になっている可能性があります。
以上より、サプライズのリスクを視野に入れると、重要性で処理の変更を行わないという結論はなるべく行わないようにすることが望ましいです。
新収益認識基準の適用にあたっては同業他社の状況等も気になる所かと思います。
新収益認識基準は会計処理から注記に関して、IFRSや米国会計基準(以下、USGAAPと言います。)を採用している会社については、2018年4月1日以降開始される事業年度から新収益認識基準を採用しています。
そのため、同業他社等がどのように行っているかは、当該年度以降の有価証券報告書を確認することで、わかります。
IFRS適用会社数は東京証券取引所の2020年6月発表の直によると、234社と増加傾向にあり、大企業をはじめ、様々な企業が適用を開始しています。
また、USGAAPも2020年時点で11社と少数ながら、適用をしている会社があります(東芝やキャノンといった電気機器メーカーが多い印象です)
そのため、開示等に迷う場合は、これらの会社の有価証券報告書を参考にしてみると良いのではないでしょうか。
世界のIFRS、USGAAPにおいて適用が開始されているため、実務においてこういった場合はどうすれば良いのかといった様々な論点が出てきています。
大手監査法人において、事例の蓄積により、解釈が適用初年度と比較し、変化してきています。
そのため、各大手監査法人のホームーページ等で、IFRS15やASC606の解説ページが直近で更新をされているのであれば、確認を行う方がよろしいと思います。
特に、本人代理人といった論点については、各監査法人での見解が大きく追加されています。
本日の記事は以上となります。
IFRSやUSGAAPでは、先行して導入が開始されましたが、実務では様々な論点出てきては、その都度対応をしているという状況のようです。
日本基準においても来年の適用が開始された後に、日本特有の論点が出てくる可能性も高いものと思われます。そのため、様々な情報に気を付けながら、なるべく保守的に適用をしていくことが、最終的な業務負担を減らせるのではないかと思われます。
それでは、次回の記事で会いましょう。
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