
2020年11月29日 / BLOG
こんにちは。公認会計士・税理士の金森俊亮です。
本日もパブリックセクター編です。本日は、パブリックセクターでよく聞かれる、株式会社等との監査の違いはありますか?という質問に対して、記事にしたいと思います。
監査法人の就職活動で、パブリックセクターを視野に入れており、どういう監査を行うかに興味がある方の参考になれば幸いです。
まずは結論からです。株式会社と公的な法人で監査の流れ(リスク評価手続からのリスク対応手続)や実施する監査手続は、ほとんど変わりません。
内部統制の整備状況評価手続・運用状況評価手続も行いますし、実査・立会・確認・突合といった基本的な監査手続も行います。
ですので、パブリックセクターの監査でも、基本的なことはしっかり学ぶことができます。監査においての違いがあれば、次以降で解説します。
会計基準に関しては、昨日記事にしました。この会計基準に沿った会計処理なのか、また注記も会計基準に沿ったものであることかを監査で確認します。
この検討は、株式会社の監査でも当然に行いますが、会計基準が異なりますので、少し異なります。
公的な法人は、昨日以前の記事でも言及にしたように、非営利というのが特徴です。
株主から業績に関するプレッシャーというのもありませんし、例えば社長に該当する理事長の報酬も業績連動ではなく、固定給になっているのが一般的です。そのため、株式会社では、売上高とは不正リスクを認識するのが通常ですが、公的な法人の監査では、不正リスクを認識することは少ないです。
ここは、株式会社と大きな差がある箇所だと思います。
ただし、経営者の内部統制無効化リスクに関しては、よほどのことがなければ、不正リスクからは外せませんので、ほとんどの公的な法人で認識はしていると思います。
しかしながら、監査リスクは株式会社と比較すると若干低いのは特徴的だと思います。
公的な法人の決算期は3月決算が多いです。株式会社の期末監査と繁忙期が重なるように思えます。しかし、公的な法人は監査報告書の提出が株式会社と比較すると、少し遅いです。
具体的には、株式会社は5月中旬から下旬に監査報告書を提出しますが、公的な法人は6月中旬から下旬に提出します。そのため、株式会社の繁忙期を5月上旬で終わらせた後、5月下旬頃から、公的な法人の期末監査がスタートします。
本日の記事は以上です。
基本的に、公的な法人の監査は株式会社の監査と大きく変わるわけではありません。また、繁忙期がズレていることから、両立する事もできます。特に若手のうちは公的な法人を100%やるのではなく、株式会社と両立してやった方が良いと思います。私自身もそうやった経験を積んでいきました。
今回の記事では、監査をやっていないと中々イメージも湧きづらいかとも思いますが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
それでは次回の記事で会いましょう。
必要事項をご記入いただき、(送信)ボタンを押してください。
お問い合わせに関しては2営業日以内で返信いたします。