
2021年02月22日 / BLOG
東京都立川市の公認会計士・税理士の金森俊亮です。会計事務所をやっています。
本日も前回からの続きで監査実務シリーズになります。
今回も実査中のお作法について記事にしたいと思います。
なお、前回の記事はこちらになります。
目次
実査は当然に現金や預金通帳を実査します。その中で、注意して行うことを、以下で書きます。
期末の監査手続として行う現金実査は、財務諸表上の現金が合っているかを確認することが最大の目的です。
しかし、実査を行うのは、必ずしも期末日の翌日ではなく、数日経ってからのことが多いです。
そのため、現金実査を行ったら、期末日の営業終了後の現金に合わせるために、現金出納簿と、入出金が行われた際の証憑を突合しましょう。これをロールバックといいます。
例えば、3月31日決算であれば、実査に行くのが4月5日だったとします。
この場合、4月5日現在の現金を数えて、その結果と現金出納簿が整合していることを確認した後、3月31日から4月5日までの現金の動きを確認し、例えば、タクシー乗車で使われていれば、タクシーの領収書と突合します。
実査した結果は、必ず会計システムと整合していることを確認しましょう。
たまに現金出納簿をエクセル等で作成していることもあり、会計システムから出されたものでないことがあります。
現金実査の最大の目的は、会計システムの現金の残高が実在しているか、正確かを確認することですので、忘れないようにしましょう。
実査を行う際には、残高の実在性・正確性を確認することが最大の目的ですが、実査時でないと、現金出納帳や通帳を確認することは中々できません。
そのため、現金出納帳の中身を精査し、摘要に違和感のある入出金が生じていないか。また、通帳の入出金も確認し、通常の得意先・取引先以外からの入出金がないか等を確認します。
必要に応じては、質問も行いましょう。
この入出金の確認は不正の端緒が現れることもあります。非常に慎重に行いましょう。
実査を行う際には、網羅的に実査できているかが重要です。そのため、去年の調書を持っていき、全て漏れなくできているかを確認しましょう。
もちろん、新しい実査対象物があるかもしれませんので、質問をしながら進めていってください。
監査論でも学ぶと思いますが、現金実査を行う際には、同日に全ての実査対象物を実査することが必要です。
去年の調書は、事前に確認しておき、実査対象物をしっかりリストアップしておくと良いです。
本日も長くなってしまいましたので、以上となります。
次回の記事では、実査終了後について記事にしたいと思います。
実査中にも気をつけるポイントがあり、さらに終了時も気をつけるポイントがありますので、実査は本当に大変だと思います。
それでは、次回の記事でお会いしましょう。
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