
2021年02月24日 / BLOG
東京都立川市の公認会計士・税理士の金森俊亮です。会計事務所をやっています。
本日は、長い連載として続いた現金実査シリーズの最終話で、実査終了後についてです。
前回の記事のリンクはこちらです
目次
一通り数え終わったら、金庫の管理担当者の方に、管理状況についてヒアリングを行いましょう。
ヒアリング項目は、チェックリスト形式にになっているものが先輩からもらえるのであれば、それを活用して、漏れなくヒアリングをできるようにしておきましょう。
聞くことは多岐に渡りますので、いっぱいいっぱいになって、漏れてしまうことが多いですので、ヒアリング項目を手許で確認できるチェックリストは強いと思います。
実査が終了したら、実査したものを一覧化して、全て返還したことを担当者の方に確認をしてもらい、サインしてもらいましょう。
会社としては、仮に実査後に現預金が足りなくなっていた場合、実査した会計士に責任をなすりつけようとすることあるからです。実際にそういうことがあったため、返還証明ができています。
自身の身を守るためにも、必ず全て返したことを確認してもらいましょう。また、この時のために、担当者に同席をしてもらう必要があります。
実査は可能であれば、行った日に調書をまとめてしまうと良いです。
現場では、数えてヒアリングすることに精一杯になってしまい、調書としてまとめる時間は取らないと思います。
ですので、事務所に戻ってから、まとめ作業に入ります。これは、可能であれば、実査を行った日に完了させてしまうと良いと思います。
実査調書は非常に重要な調書になりますので、忘れないうちにまとめてしまいましょう。1日経っただけでも、思い出すのに一苦労するということはあります。
また、期末監査の繁忙期にすぐに入りますので、作業を後ろ倒しにすると後々苦しむことになります。
実査が終了し、1〜2週間程度経過すると、期末監査が開始になります。
期末監査では、科目調書を作成していきますが、その際に実査した結果は、必ず会計残高とリファレンスを行います。
例えば、現金の残高には、実際した結果と一致した数値が記載されているはずです。
もちろん、残高全てを実査しているわけでなく、本社だけということも往々にしてあります。
その場合は、明細上で本社の箇所とリファレンスを行い、全体額と現金の残高をリファレンスします。
結局、このリファレンスを行い、実査結果が会社の残高と一致していることを確認しないと、実査をやった意味がありません。
実は、結構漏れてしまうことも多いですが、これは絶対に忘れずに実施をしてください。
本日の記事は以上となります。
実査について、ここまで長くなるとは思いませんでしたが、いかがでしたでしょうか。
実査は外部証拠の入手という非常に大切な監査手続ではありますが、新人の方が担当することが多いです。
しっかり予習を行って、実査現場に向かってもらえればと思います。
次回の記事でお会いしましょう。なお、新規のホームページを立ち上げています。URLはhttps://sk-account.jp/です。よろしかったらご覧ください。
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